飽きずに現場での環境改善活動をこだわって継続中(平成29年4月17日)

 昨日・平成29年4月15日も9時30分から16時30分まで、「境川・清住緑地」のワンディチャレンジ・整備作業に参加してきました。今まで、3月26日と4月3日、4月4日と境川・清住緑地での整備作業を繰り返してきました。

 

 皆様は、何故、ここまでこだわって何回も、境川・清住緑地の作業を続けているのかと不思議に思いませんか。地元の新聞記者に取材を依頼したら、「ジャンボさん、同じような単純な整備作業を、特に記事化する必要を感じませんし、取材にはいけませんよ」と言われました。

 

 なるほど、外から私たちの現場作業を概観している人たちは、私たちの活動をこのように単純に判断・評価しているのかと理解しました。これでは、刺激的で新規性の高い、目新しい活動や行事の取材を優先することになり、今回のような同じような活動内容の整備作業の取材は難しいと実感しました。

 

 今まで、こだわって、飽きずに何回も、境川・清住緑地の整備作業を実施した理由は、湧水池の周りに広がる樹林帯が15年近く、動物たちの聖域・人が入ってはいけない「禁伐林」として保護されてきました。しかし、最近、立木に蔦が絡まり、一部の樹林も老齢化し、倒木が目立ち始め、下草も伸び放題となり、光が当たらない、風通しの悪い、劣悪な自然環境になってきたからです。

 

 「境川・清住緑地愛護会」の皆さまも、日頃から地道な維持管理に努力されていますが、会員の高齢者も進み、樹木や放置竹林の伐採など人手と危険性の高い重労働の作業には、手が回らない事情もあり、自然環境の劣化と放置が拡大していました。もしも、私たちが、こだわって集中的に整備作業を行わず放置しておけば、あの素晴らしい里山の自然環境と豊かな樹林帯が壊れてしまう危険性が想定されます。

 

 現実的には、湧水池に木々が複雑に生い茂り、その影響で光も差さず、湧水池内の水生植物も生育できなくなり、また、小魚も減り、餌が減少したことによりカワセミなどの鳥類も激変しています。さらに、人の目が届かないことから、カワウも飛翔してほとんどの魚を食べてしまいました。

 

 まさに、生物多様性に満ちた自然環境を維持保全していくためには、禁伐や立ち入り禁止などの保護も大切ですが、積極的に人が自然環境の保全活動に関わり、間伐や下草刈り作業を頻繁に行わないと、多様性に満ちた素敵な自然環境を持続保全していくことはできません。

 

 この地道で疲れる保全活動・整備作業を現実的に誰が担うのでしょうか。多くの学識経験者や政治家、首長は、樹林帯の重要性や素晴らしさを主張しますが、それらの意見を主張している人の何人が、実際の現場に来て、ノコギリを使ったり、鎌での下刈り作業に参加しているのでしょうか。

 

 ところで、河川管理者である県や三島市に陳情すれば問題は解決できるのでしょうか。「予算確保が難しい、治水上問題がないので整備できない」などを理由に、迅速・的確に整備・対応していく具体的な対策は講じられません。

 

 私もグラウンドワーク三島の活動を開始して25年経過しましたが、ひたすら、環境悪化が進行・拡大した現場に出かけ、飽きずに絶え間ない現場作業を粛々と継続してきました。

 

 やはり、「現場力・実践力」の潜在力は効果的です。成果としては、源兵衛川の水辺再生やゲンジボタルの乱舞、三島バイカモの復活、松毛川河畔林の保全、境川・清住緑地の里山再生など、「水の都・三島」の自然資源や環境資源の再生・復活・保全を確実に実現してきたと確信しています。

 

 まあ、今回の「事務局長のつぶやき」は、愚痴話になってしまいましたが、要は、三島市民の皆さまを含めて、市民は、とにかく理想論・総論・必要論を議論しても、最終的には、課題を抱えた現場に来て、作業を行わなければ、何も抜本的に改善・解決されないことを伝えたかったのです。

 

 最初は、木々が覆い茂り、光も差さず、風も通らない樹林帯が、何回もの現場作業を繰り返すと、見事に新緑が映える素晴らしい樹林帯に変わります。地中から多くの虫たちが入出し、沢山の鳥たちが集まって賑やかな雰囲気になります。

 

 この劇的な変化を作業終了後に実感すると疲れも解消されて達成感に心が満たされます。一人一人の力は小さいと思いますが、沢山の力になると絶大な力に変わり、難しい課題も順次解決されていきます。自分の存在意義と意味も実感でき、自己表現の場を確保できた満足感も実感できます。今度は皆様と現場で、お会いできることを期待しています。筋肉痛が続く、年寄からのメッセージです。

 

グラウンドワーク三島専務理事

渡辺 豊博

 

●ワンデイチャレンジによる境川・清住緑地の変化

作業前                 作業後

 

作業前                 作業後

 

作業前                 作業後

 

作業前                 作業後

2017/4/17 15:47 ( メイン )
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2021年8月28日「鎧坂ミニ公園」の整備作業

 

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