10/25~27台湾・桃園市を訪問

1日目:10月25日

 本日・令和元年10月25日、強風と大雨の中、羽田空港から台湾の台北・松山空港に飛び立ちました。台北の気温は28度、真夏の装いで現場視察、暑さの中かなりの汗を流しました。


 現場は桃園市・人口220万人、若い人々が集まる成長著しい街です。市内中心部を流れる「老街渓」を社区大学のボランティアの皆様とともに見学し、その後、私なりのこの川への評価と感想、課題の指摘を行い、沢山の質問にもお答えしました。この川の整備のドラマは、後日ご紹介します。


 有名な水餃子のお店や日本時代の教職員宿舎の再利用施設を通り「桃園古道河川教育センター」で意見交換会を開催しました。その後、明日の「桃園まちづくり国際フォーラム」のゲストたちとの交流会に望みました。歩き、しゃべり、食べ、飲み、いろいろとメール・電話をして忙しい1日が終わりました。明日も講演し、夕方から、高雄に新幹線で移動し、夕食は仲間たちと火鍋を食べます。

 

 

2日目:10月26日:

 本日・令和元年10月26日台湾「桃園地域づくり国際フォーラム」で講演させていただきました。挨拶で桃園市政府文化局長さんより、台湾で発行された私の著書「地方創生的挑戦・日本NPO的在地創業」を紹介していただきました。今、台湾国内で川づくり・地方創生のバイブル・マニュアルになっているようです。この本を持参して聴講する人が多く、何十回も「右手にスコップ・左手に缶ビール」をサインしています。

 演題は「地域づくりと地方創生」今後、地域を市民立でどのように運営維持・発展させていったらいいのか、私なりの長期的な戦略と地域マネジメントのノウハウ、地域デザインのポイントなどをお話しました。

 

 台湾は全国各地にある80箇所の社区大学を中心として河川愛護団体などのボランティア活動が活発です。しかし、行政の支援から独立した持続可能で発展的な市民活動のあり方や組織運営に共通の悩みを抱えています。私としては、専門知と経験知に基づいた、具体的な知恵と手法を分かりやすく、冷たい駄洒落を交えて楽しく聴講者に伝えたつもりです。

 

 本日も同時通訳者を困らせる絶好調のメッセージ・駄洒落も発信させていただき、その後の高雄市内の火鍋も大変美味しく満喫させていただきました。さあ、明日も午前中、講演をさせていただき、元気をもらい三島に帰ります。異国の風情と雰囲気を味わい、さらにやる気が出ました。

 

3日目:10月27日:

 今、台湾の松山空港で飛行機待ちしています。本日・令和元年10月27日午前中「高雄市横山社区営造数学実験所」(元軍隊の基地で10年近く放置され廃屋化していた建物を地域住民や隣接の科技大学の学生たちが再生させた地域コミュティ・文化交流施設)おいて「高雄社区酷事系列講座」の第1回目の講師を務めさせていただきました。

 

 今回の講座は、社会的企業の意味と仕組みをグラウンドワーク三島のNPOビジネスである農業事業や街中カフェ事業を事例として説明しました。特に、関心の高かったのは、この施設を国や高雄市が管理運営するのではなく、社区に業務委託して、芝生は無農薬の畑し、そこで生産された野菜を食材にしてカフェを開店、夜は地域の居酒屋にして、儲けられる施設に機能を変えたらどうですかの問題提起でした。

 

 市の職員からは公共施設で稼ぐとは問題だと異議が出され、地元の方からは是非ここで稼ぎ、活動資金を捻出したいと積極的な意見が活発に出ました。

 

 私は、いろいろの講演で「環境再生から観光振興へ」の必要性を訴えており、公益的なボランティア活動の継続だけでは地域は元気にならず、自立・繁栄しないと力説しています。市民・NPOによる「小さな産業」を街中に点在・拡散しなくては、中心商店街の賑わいは実現しません。

 

 また台湾に来て、三島駅前の高層マンション建設での「集中化」による街づくりは三島に経済的効果を及ぼさないと実感しました。帰国後、再開発ストップに向けた運動を強化しなければと強く思いました。冷たい台湾ビールを数杯飲み、帰国します。

 

 この川は台湾の桃園市内を流れる「老街渓」です。実は、今から28年前は河川内に何もない普通の川でした。しかし、周辺の住居からゴミが捨てられ、生活排水が垂れ流され、悪臭を発する汚れた川になりました。

 

 そこで市は、民間企業からの提案を受け、市民の資金も集めて、コンクリートで暗渠化・蓋をし、その上部にショッピングセンターと駐車場を建設し、ゴミが放置された汚れた川を隠しました。一時は賑わしいの施設となりましたが、流れを阻害することから、何回かの洪水時に上流側で護岸の崩壊や湛水被害を誘発して市民や商業者の激しい反対がありましたが8年前に暗渠施設を僅か4ヵ月の間に破壊・排除しました。

 

 現在は河川沿いに歩道や公園を整備して市民の憩いの場所に再生されました。「桃園古道河川教育センター」を開設して、市民ボランティアの育成や毎年2万人以上も環境教育の発信基地になっています。

 

 三島では28年前に、源兵衛川の暗渠化を市民力で中止させ、原風景・原自然の水辺環境を再生しました。多くの困難がありましたが、川の原点を取り戻そうとした努力と発想が「世界かんがい施設遺産」と「世界水遺産」にダブル登録された価値と見識です。

 

 三島駅前の高層マンション建設は、台湾桃園市の「老街渓」の事例と酷似しています。その街の文化や歴史、自然特性などに不釣合いな事業は、必ず後で問題を起こします。三島市民も国内外の前例に学ぶべきです。大人が次世代に禍根を残してはいけません。三島は源兵衛川の水辺再生により、世界的にその見識が評価されていることを「誇り」に思ってください。

2019/10/26 18:56 ( メイン )
カテゴリ内ページ移動 ( 1002  件):     1 ..  903  904  905  906  907  908  909  .. 1002    
コメント一覧
GNavi   (based on MyAlbum-P)

渡辺豊博事務局長の思いや活動報告を日々更新しています。

三島産新銘柄米「ゆめみしま」のご購入はこちら

源兵衛川が「世界水遺産」に登録されました。

源兵衛川が「世界かんがい施設遺産」に登録されました。

「2020年アジア都市景観賞」を受賞しました。

 

グラウンドワーク三島 新聞報道記事一覧へのリンクバナー

2024年4月24日「ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナーシップ協定・締結式」の記事を掲載

グラウンドワーク三島のfacebookページ

 

Instagram

グラウンドワーク三島のインスタグラムページを開設しました!

 

 

イギリス&日本・自然環境回復の処方箋~グラウンドワーク~

 

A story of Genbegawa

 

2021年8月26日「三島梅花藻の里」の定例整備作業

 

2021年9月16日「桜川川端」の整備作業

 

2021年8月28日「鎧坂ミニ公園」の整備作業

 

訪問者数(1997年7月31日~)

アクセスカウンター
アクセスカウンター
アクセスカウンター
サイト内検索

検索は2文字以上で
コメント