グラウンドワーク活動に関わる信頼の「絆」の強さを実感
 平成22年6月6日に東京において、全国各地においてグラウンドワーク活動を精力的に展開している市民団体のリーダーや関係者が集まった。会議の目的は、地域社会雇用創造事業に関わり、各地域ブロックが今までの経験知を生かし、地域の特異性や特性を踏まえて、いかに効率性の高い創造的な事業への取組みができるのかについて、真剣な議論が交わされた。
 
 現在、全国で活躍しているグラウンドワーク活動団体は、30箇所近くにおよぶ。活動の基本的な形態は、「地域住民」と「行政」と「企業」との中間に、これらのグラウンドワーク団体が調整・仲介役として位置し、パートナーシップ型の個性的なプロジェクトを推進していることにある。
 
 具体的には、環境改善活動を通しての地域再生やボランティアや地域住民との地域協働による現場での具体的な活動展開、また、地域住民・行政・企業を含む多様な地域主体とのパートナーシップによる活動の実践、さらに、専門家や専門能力を備えたスタッフによる調整・仲介役の存在など、「小さな政府」を確立した英国のグラウンドワークのスタイルを踏襲している。
 
 各リーダーの地域を愛する郷土愛は、強烈で個性的であり、何とかして、地域の資源や特性を生かして、停滞気味の地域を元気にしたいとの強い意志と覚悟の気持ちが溢れていた。何がこれほどまでに、彼らを掻き立て、飽くなき環境再生や地域再生などの戦いに臨ませているのか、その原動力と問題意識の深層心理を不思議に感じた。
 
 また、それぞれが、十年以上の経験知を持ち、地域住民の不理解や行政の無関心、地域企業の不協力と戦ってきており、その努力と忍耐には頭が下がる。この事実は、地方には、こんなにも地域を愛しているリーダーや傑物が多数存在していることを実証しているし、グラウンドワーク活動には、さらに、地域の元気を再生、仕立てられるアイデアに満ちた、地域経営のマネージャーが存在していることを証明している。
 
まさに、人づくりは、これらの個性的で先導的なリーダーが、講師となり、人材育成していくことが重要だと実感したし、今回の事業においても英国のリーダーの招聘・講義を含めて、受講生に彼らの迫力と思い、実践的なノウハウが伝わればと期待している。
 
 現在、日本全体を覆う閉塞感は、実に重く、将来に対しての明るい展望が見えない。若者は職に付けず、高齢者や女性は活躍の場を見つけにくく、地方経済は停滞・疲弊し、農山村は高齢者で溢れている。
 
 政治の世界は、権力闘争に明け暮れ、言葉が軽く、思い付きの政策が選挙対策用に飛び交い、国民の期待を煽り、現実との乖離による落胆の連鎖が続く。財政再建や経済振興の明確な方向性や戦略的な具体案が明示されず、足腰の強い、景気判断が困難な状況である。
 
 グラウンドワークの話から、国家的な有様の愚痴っぽい話になってしまったが、昨日の地域ブロックのメンバーの話を聞いていると、今の国の「歪み」や「問題」が、地方の市民活動の存在理由として明確に反映しているなと感じた。
 
 グラウンドワーク活動の基本的なアプローチは、「下から上」である。地域内で起こっている身近な環境問題の解決や遊休農地の活用対策、中心商店街の新たな振興策の取組み、未就業者や若者たちの雇用の場の創出、農産物などの地域資源を活用した新たな起業家の育成、環境資源を利活用したエコツアーの仕掛けなどを活動のターゲットとして、課題を抱えた地方・地域において具体的な活動を展開していく。
 
 この活動の推進役は、地域住民や行政、地域企業であり、それぞれの専門性と社会的な役割を果たしながら、得意技と個々の人的なネットワークを駆使して、地域の総合的な全力を発揮して、難題に取り組んでいくものである。
 
 北海道の西神楽では、さと川パークゴルフ場を、荒廃した河川敷を活用して、地域住民手作りで造成し、安価なパターゴルフ場として高い評価を受け、「高齢者の収入源と生きがいの場づくり」になっている。
 
 東北の寒河江では、沼川の環境整備を地域住民が主体的に担い、フラワー通りやイベントの開催など、河川沿いの人々の「コミュニティ形成」に貢献している。
 
 四国の高知では、絶滅危惧種ヤイロチョウの恒久的な保護区となる「四万十ヤイロチョウの森」を造成することによって、荒廃と過疎化の進む農山村地域の活性化と地域の生態系の保全を目的とし、「四国ナショナルトラスト」運動を展開している。
 
 中国地方の大山蒜山では、すぐれた自然・景観・文化を有する大山蒜山の自然環境を多くの人々に知ってもらうべく、大山蒜山自然学校の開校やグラウンドワークツーリズム事業の実施、ギフチョウの舞う里山古道の再生、子どもオオサンショウウオ博士の育成など、未知なる壮大な自然環境の有効活用と地域資源を活用した新たな農山村振興に取り組んでいる。
 
 九州の福岡では、八女市での指定管理者の役割を担いながらの中山間地域の振興策への取組みを進め、お茶や米、焼酎の生産など地域ブランドの再興や古民家再生プロジェクトとホタル祭りの開催などの賑わい創出を推進している。
 
 その他にも、東海や滋賀、阪神、関東など、全国各地において、多様な人々を巻き込んだ、市民発意の多様なグラウンドワーク活動を先駆的に推進し、それぞれ地域内において指導的、先導的な市民活動団体として高い評価を受けている。
 
 今回、グラウンドワーク三島が事業主体として実施する、地域社会雇用創造事業の特異性と優位性は、まさに、三島とこれら地域ブロックとの連携と役割分担にあるといえる。グラウンドワーク三島から始まった、英国から取り入れたグラウンドワーク活動の手法を各地域の特性を折り込み、閉塞感漂う地方の元気再生と小さな産業の起業化に活用・拡大することが大きな目的といえる。
 
 現在、地方の元気の原動力、推進役となるべき、人的資源が有効活用されていないと考えている。いろいろな個性や問題意識を持っている若者、女性、高齢者、未就業者が、地域の中で、具体的な現場において上手に生かされていないといえる。
 
 確かに国の資金を直接的に支援金として本人に提供することも、急場の対策としては重要だと考えるが、長期的な対策としては、多様なスキルアアップによる資質の研鑽や問題意識の向上などが、より効率的で有益性が高いと思う。
 
 グラウンドワーク三島では、インストラクターをはじめとして、何百人ものボランティアが、匠の技術や農業技術、自然環境の専門的知識、そば打ち技術、土木的知識など、今まで実社会において蓄積してきた知識を駆使して、多種多様な活動を支援してくれている。
 
 やはり、市民活動の強さと持続性の源泉は、いかに多くの元気な意識を持つ支援者、人間を確保・活用しているかにかかっていると思う。「元気な人なくして地方の元気なし」である。今回の国の事業は、インターンシップとして人材育成に多くの国費を投入していただいた。本当に画期的な事業だと評価するととともに、グラウンドワーク三島に課せられた使命も重い。
 
 今回の会議において、今更ながら、地域ブロックの各リーダーとの固い絆と深い信頼関係の気持ちを再確認できた。今回の会議をもって、いよいよ、本格的な事業展開に移行する。全国的なネットワークをフル回転させて、閉塞感漂う、地方や地域を変革できる新たな人材育成と起業家を、三島での素敵な水辺自然環境での体験と受講生との人的な交流を通して、実現・創出できればと意気込んでいる。
 
 この地域社会雇用創造事業の参加に興味と関心のある方は、グラウンドワーク三島のホームページを見て下さい。皆様と三島と地域ブロックにおいてお会いできることを、楽しみにしています。
2010/6/7 9:44 ( メイン )
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