2月11日(月・祝)、石巻駅前の石巻グランドホテルで、内閣府「復興支援型地域社会雇用創造事業」の一環として行われている「グラウンドワーク・インキュベーション」見本市が行われました。
インキュベーションの起業支援期間は、2月15日までということもあり、出展者(起業者)の皆さんは、約3ヶ月に渡った起業準備の成果をこの見本市で発表しよう、という意気込みで準備していただいたようで、各ブースには様々な種類の商品やサービス、チラシ等が、それぞれの起業者の工夫を活かして、展示されていました。
見本市は、(もはや恒例の)渡辺事務局長による応援メッセージからスタート。
この「見本市」は、起業支援の一環で、被災地で起業する52名の皆さんの商品・サービスを紹介し、首都圏等から来訪いただいたバイヤーや企業関係者・経営の専門家等との商談(ビジネス・マッチング)を進めていただいたり、入場者の方々に自分達の商品・サービスを販売あるいは試食、体験等していただく事により、PRを行い、今後の本格的な事業展開に弾みをつけていただくものです。
グラウンドワーク三島を始めて、今年でちょうど20年になりますが、地道にコツコツと事業をやり続けるのは、非常に大変です。熱いパッションは重要ですが、それだけでは組織を持続・発展していくことはできません。戦略的なズルさも重要です。
是非、(お金をもっていそうな)バイヤーさんを捕まえ、また商品やサービスに関心のありそうな入場者を捕まえて、たくさん売りつけて下さい。たくさんお話しをして、たくさんお話しを聞いて、ニーズをとらえてください。色々な方から、経営のノウハウを聞き出してください。そして、色々な人と絆・ネットワークを築いて、今後の事業展開に活かしてください。
午前中は起業者52名による発表と、それぞれの起業者と一緒に起業まで伴走していただくメンターの先生方7人による講評をいただきました。
起業者52名による発表は1人2分と短い時間でしたが、この日のために準備していただいた事もあり、商品の実物を見せながら効果的に来場者やバイヤーの方々にPRを行う姿が印象的でした。
午後は、各自のブースでバイヤーさんとの商談や来場者へのPRをしていただきましたが、見本市への来場者は300名以上ということもあり、とても賑やかな雰囲気でした。
また、石巻を中心とした報道関係者も多数ご来場いただき、出展者に商品やサービスについて聞いたり、あるいは起業に至った動機なども聞き取っていただきました。(KHB東日本放送さんで「被災地で起業 新たなチャンス」として11日当日の夕方に放映していただきました。)
バイヤーや経営の専門家の方々は、商品について出展者から説明を受けたり、マーケティング方法についてアドバイスをしたりと、精力的に各ブースを回っていただきました。出展者にとっては非常に有意義な時間だったのではないでしょうか。
その一方で、以下のような厳しいご指摘もいただきました。
まだまだ、商品やサービスを開発、販売する際に、自分たち(起業者)のミッションや想いを優先する「プロダクト・アウト」で商品・サービスが作られている。消費者・サービス受益者の視点やニーズを重視した、はじめに顧客ありきという「マーケット・イン」をもっと重視してビジネスを展開していく必要がある。
しかし、このようなご指摘をいただけるのは、事業を展開していく上で、非常にありがたいことです。最初から完璧な商品やサービスは、あり得ません。様々な指摘を受け、商品を改善し、より良い商品を提供する、というサイクルは、ビジネスを展開していく上で欠かせないものとなります。
また、このニーズを重視するのが重要、ということは、渡辺事務局長も起業研修の際に何度も力説していたことでもあります。今後は、このことを念頭に置きながら、商品開発やマーケティングを進めていただき、事業を発展していっていただきたいと思います。
今回のインキュベーションの起業者は、「復興支援型」ということで被災地での起業ということもあり、ご自身が被災された方が多くいらっしゃいます。そして、被災地の雇用環境は、依然として厳しいものがあります。
そのような中で、地域資源を活用した地元密着型の「小さな産業」を創出し、まずは起業者自身の雇用を創り、さらには従業員等を雇用して被災地の雇用環境を改善していくことは、被災地の復興にとって非常に大きな意義があります。
起業者の中には、まだまだ従業員を雇用するのは難しい方もいらっしゃいますし、その一方で既に従業員を数名雇用している方もいらっしゃいます。急には、雇用を拡大することは難しいとは思いますが、渡辺事務局長が言われたように、地道にコツコツとやり続けることが重要です。
熱いパッションと戦略的なズルさをもって、地道にコツコツと事業を展開し、少しずつでも雇用を創出し、復興を加速できるよう、引き続き頑張って行きましょう!
(あと、地獄の?経理処理も頑張りましょう!)
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