住民・企業・行政・NPOとの協働により清流がよみがえった源兵衛川においては、平成19年12月、中流部で生コンクリートの流出事故が起こり、清流のシンボルであるホトケドジョウ(静岡県レッドデータブック絶滅危惧1A類、東部地域)を中心として、多くの魚類、水生生物が死滅してしまいました。
専門家による3年間の生態系調査結果からは、ホトケドジョウの生息数の著しい増加や増殖、回復は認められず、今後、人為的な生息環境の復元や再生整備を行わないと、絶滅の恐れがあることが明らかとなりました。
これを受けて、本法人では、今年度より「源兵衛川ホトケドジョウ生息環境再生プロジェクト」を開始し、魚類・水生生物を中心とした「生態系調査」や、環境人材の養成、「源兵衛川希少種水族館」の開設等に取り組んできました。
今回、このプロジェクトの集大成として、ホトケドジョウなど生き物の繁殖に適した水辺環境を再生して、個体数を増加させるための、「生息環境再生ワンデイチャレンジ」に取り組みました。源兵衛川中流部(4ゾーン・三島中央病院沿いの100m区間)を対象地として、外来植物の除去と、水草の生える浅瀬と水辺から陸にかけての在来植物の群落の復元を目指すものです。
作業には、6才の子どもから地元住民の皆さん、グラウンドワーク三島インストラクターやスタッフなど25人が参加しました。植生植物担当の富士常葉大学非常勤講師の菅原久夫先生、水生生物・魚類担当の同非常勤講師の加須屋真先生、計画担当の地域環境プランナーズ代表の加藤正之先生、当法人事務局長の渡辺豊博の指導のもと、作業をスタートしました。
源兵衛川4ゾーンでは、ヘドロが多く堆積すると共に、外来種のハーブ類やトキワツユクサやカラー(オランダカイウ)、キショウブが繁茂し、在来種のセキショウやクサヨシを圧迫しており、ホトケドジョウの生息には決して適しているとはいえません。
今回の作業では、まず、鎌などで外来植物を刈り取り、土嚢袋やごみ袋に詰めて搬出しました。その数は100袋!にもなりました。
大人と一緒に、子どももホトケドジョウのすみかづくりに汗を流します。
水路脇に生えているトキワツユクサは、手でつかんで引き上げることができますが、サワガニなどが隠れています。
サワガニをみつけて、大人も子どもも大騒ぎ。
生物発見後は、すぐさま先生方の講義が始まります。
目で見て、手で触って、先生方の講義に皆さん楽しそう。
『青空学習』では、源兵衛川の生態系や源兵衛川に生息する生きもの達に適した水辺環境作りについて学びました。
「源兵衛川に適している植物って何だろう?」
「生きもの達が喜ぶ川って、どんな川?」
などなど・・・・
先生方が参加者の皆さんに問います。
小さい子は「〜〜ん〜〜・・・。どんなだろう・・・」
大人も「〜〜ん〜〜・・・・・・・・・・。」
参加したみんなで考え、目で学ぶ。
暖かい陽気に澄んだ空気。すてきな『青空教室』となりました。
その後、砂や砂利、溶岩を入れて、右岸にワンド(淀み)を数か所つくりました。最後に、在来種のセキショウやクサヨシを岸辺に移植して、ホトケドジョウがすみやすい環境づくりを終えました。
グラウンドワーク三島では、来年度も「源兵衛川ホトケドジョウ生息環境再生プロジェクト」を継続し、今回の対象地のフォローアップをはじめ、生態系調査も継続して、ホトケドジョウを中心に、源兵衛川の魚類や水生生物等の生息状況を分析・評価して、生物多様性の保全を目指していきます。
参加いただいた皆さん、たいへんお疲れ様でした!
そして、ありがとうございました!!
三島産新銘柄米「ゆめみしま」のご購入はこちら
「2020年アジア都市景観賞」を受賞しました。
2024年9月27日「三島そば種まき体験」掲載
グラウンドワーク三島のfacebookページ
グラウンドワーク三島のインスタグラムページを開設しました!
イギリス&日本・自然環境回復の処方箋~グラウンドワーク~
A story of Genbegawa
2021年8月26日「三島梅花藻の里」の定例整備作業
2021年9月16日「桜川川端」の整備作業
2021年8月28日「鎧坂ミニ公園」の整備作業