平成30年6月10日午後1時30分から2時15分まで、
平成30年度のグラウンドワーク三島の「通常総会」が開催されました。
平成29年度は、本法人が平成4年9月に設立されて以来25周年目の年であったことから「市民力を磨き、水の街・三島の魅力アップに貢献」を目標に、多様な活動に取り組みました。まず、記念事業としては「日韓バイカモ国際サミット」を平成30年2月24日に開催して、今後とも、韓国江華島バイカモ委員会や韓国ナショナルトラストとの環境交流事業を継続していくことを確認しました。
また、3月19日にブラジリアにおいて開催された「世界水フォーラム」で、源兵衛川の「世界水遺産」登録の伝達式が行われ「世界かんがい施設遺産」登録との「ダブル登録」は世界初の快挙となりました。農業事業では、平成29年7月に「株式会社アグリライフ三島」を設立し、農業経営の推進体制を強化すると共に、平田地区でハウスを確保してトマトの水耕栽培を始め、三島米となる「バイカモ米」の生産販売を拡大しました。また、新たな販売先の開拓と梅名地区でのハウスの確保などの規模拡大に取り組みました。
なお、三島駅南口再開発事業に関しては「市民検討会」の開催や西街区の監査請求の支援、東街区での新たな再開発計画の提案など、三島の魅力アップへの新たな提案を行いました。
平成30年度は、「活動・組織の基盤強化と発展的挑戦」を目標として、農業事業を中心とした「NPOビジネス」の強化を進めていきます。御園地区の耕作放棄地の確保・活用や日本たばこ産業株式会社から提供を受けた米の新品種活用による「三島米」ブランド開発、未利用ハウスを活用した果樹栽培、農業公園計画の事業化など、若手農業者の雇用を含め「稼ぎ・儲けられる」農業経営の成功モデルの確立に取り組みます。なお、引き続き、南口の再開発事業に関わる活動は継続して、御殿川と源兵衛川・三島梅花藻の里をつなぐ新たな街歩きの「回遊性計画」実現に向けての提案・実現を進めていきます。
その後、「講演会」が開催されました。本会がこれまでに開催してきた講演会としては、参加者も多く、プレゼンの内容も、「大変充実したもので分かりやすい・参考になった」と大変好評でした。
まず、「記念講演」として、渡辺専務理事から、ブラジリアで皇太子様のご臨席のもと、源兵衛川の「世界水遺産」登録記念のために英語で行う予定だった講演内容を、日本語で発表しました。
古くから「水の都・三島」の人たちが、いかに富士山からの湧水を大切にしてきたかを説明しました。三島の特性を活かした水と緑の街づくりにこそ未来があることを、わかりやすく、 ユーモアたっぷりに説明しました。
現在の東街区の再開発事業は、豊岡三島市長の意向の下、情報が見えずらく、「水の街・三島」の過去の市民総意の街づくりの伝統・手法とは異質・真逆であり、かつ、市の財政を長期に圧迫するプロジェクトとして進行している危機的な状況を説明しました。
- 渡辺専務理事の発表資料はこちら(PDFファイルが開きます。)
次に、「基調講演」として、東京理科大学の岩岡教授から、街づくりの資源として、湧水を最大限に活かすためには、源兵衛川は先進的な成功モデル・出発点であり、三島を水と緑の都市にするためには、今まだ整備されていない御殿川を源兵衛川から回り込む「回遊性」の整備が必要不可欠であることが説明されました。
その具体的な整備構想図のポイントを、コンピューターグラフィックと模型で再現しながら、可視化してわかりやすく解説して下さり、あわせ、海外の街づくりのトレンドは、水文化の活用・再生であり、その方向での整備が驚くほど進んでいることを、ボルドーの景観を例に説明されました。
「パネルディスカッション」では、まず、景住ネット代表の日置弁護士から、わかりやすく、明解な統計資料を根拠として、「右肩上がりの経済成長の時代は、駅前での高層マンションは割に合ったが、経済成長率が減少し、少子高齢化問題が噴出した今、東京以外の駅前の高層マンション計画は間違いなく破綻する。三島は今まで進めて来た、水と緑を活かした三島らしい発展を目指すべきだ」と発言されました。
- 日置弁護士の発表資料はこちら(PDFファイルが開きます。)
次に登壇された東郷静岡県対外関係補佐官は、欧州から帰国する度に感じた日本の現状に対する違和感を、書籍『戦後日本が失ったもの』にまとめられました。また、静岡県の補佐官を拝命した後、「富国有徳ふじのくに」の先進性と素晴らしさに驚嘆したことから、県内を回りいろいろな市町村の街づくりを視察されましたが、圧倒的な成功事例は、三島市だと実感されたそうです。
しかし、駅前での高さ100メートルの高層マンション計画は、不釣合で、ありえないと危機感を感じておられるそうです。本事業に対する川勝知事の考え方は、記者会見で2回にわたり発言されているように、三島市において、多様な人々との意見交換や議論を積み重ね、市民に広く、周知していくべきだと強調されていますし、このことについては、すでに豊岡市長には直接伝えてあるとの説明がありました。
その後、参加者より、具体的でかなり踏み込んだ質問が出され、今後の運動の方向性に関わる、突っ込んだ議論が1時間弱ありました。その中で、三島商工会議所や市会議員から「反対」という声が上がっていないのはなぜかという質問があり、反対派の市会議員から、南口での再開発事業は皆必要性を認めているが、問題はそのやりかたであり 、市民の本当のニーズ、景観、財政負担の抑制が必要三原則であり、そのような観点から、今回の市議会において厳しく追及しますとの発言がありました。
また、町内会のリーダーは右肩上がりの経済成長を満喫してきた人たちであり、「駅前での高層マンション計画はいいもの」という固定観念から脱却できていない、どうやってそれらの誤解を崩すのか、という鋭い質問もありました。水と緑と富士山の景観などの魅力は、三島の観光増につながることをもっと市民にPRすべきだ、「いいものはいい」ということをもっと明確に発信すべき、などの意見が出ました。
最後に、宮沢県会議員からご挨拶があり、「東街区の再開発事業は中止、見直しとの気持ちは皆様との同じです。6月28日開催の県議会において、川勝知事に質問し、知事の本音の意向を明確に発言してもらいます」と発言されました。
本日をスタートに、グラウンドワーク三島は、本年度も三島の正義と品格・魅力・価値を守り、伝える活動を続けていきます。皆様の引き続きのご支援をお願いいたします。
グラウンドワーク三島 専務理事 渡辺 豊博
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「2020年アジア都市景観賞」を受賞しました。
2024年9月27日「三島そば種まき体験」掲載
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イギリス&日本・自然環境回復の処方箋~グラウンドワーク~
A story of Genbegawa
2021年8月26日「三島梅花藻の里」の定例整備作業
2021年9月16日「桜川川端」の整備作業
2021年8月28日「鎧坂ミニ公園」の整備作業