「大阪北部地震」・支援活動の報告

 

「大阪北部地震」・支援活動の報告

 

一般社団法人 災害復旧職人派遣協会

代表理事 石岡 博実 

理事   渡辺 豊博 

 

 平成30年6月4日の夕方に、㈱日本ステンレス工業を中心とした、一般社団法人災害復旧職人派遣協会のメンバーは、山梨県大月市を出発して、大阪府高槻市に向い、6月25日から7月14日までの20日間、「屋根ブルーシート掛けボランティア活動」を実施し、今回、無事故で作業を終了することが出来ました。途中、長雨のために、4日から一時帰社しまたが、再度、8日に高槻市入りして9日より作業を開始しました。

 

 最終的には、活動期間は12日間となり、ブルーシート掛けは45棟を実施しました。所定の目的を果たすことができたのも、高槻市の民生委員さんや自治会組長さん、市会議員さん、社協の皆様方、また、高槻市や様々な方々より、宿泊先や材木、支援金などのご支援をいただき、心より御礼申し上げます。

 

 さて、当会は、熊本地震から、「災害復旧ボランティア隊」を派遣してきましたが、様々な問題点や課題も体験してきました。特に今回は、地元の社会福祉協議会(社協)との関わり方です。様々なボランティア活動での参加者の受入れにおいて、 1日来て帰る人や、1泊2日で帰る人、学生など様々です。したがって、社協とすれば、当然の受入れを行い“こなす(処理的)“的な扱いとなります。

 

 具体的には、午前9時に集合―作業の打合せ・朝礼―自己紹介等―午後4時に再度集合して解散という流れでした。「なぜまだ作業ができる、したいのに、中途半端な時間の午後4時なの?」と社協の方に質問すると、「午後5時から打合せがありますので」「社協も他の仕事を持ってやっていますので」との返事がありました。

 

 皆様は、この回答をどのように評価されますか。遠く山梨や静岡から緊急性を重視して仕事をさし置いて、駆けつけて来た、私たちは、できるだけ多くの困っている被災者を助けたいとの強い気持ちがあるのに、社協の都合が優先され、思うような支援活動ができない、自由度が制限される受入れ体制になってしまっていました。

 

 当会のような、屋根屋のプロ集団では、災害支援活動といえ、仕事の延長戦の活動として対応しており、その取り組み姿勢や仕事のクオリティーは、日頃の仕事とまったく変わりがありません。朝は熱くならない内に、なるべく早く活動して、現場での“段取り”で、仕事の進め方の全てが決まります。

 

 午前7時30分には、仕事で必要となる各種の荷物や道具などを積み込み、午前8時には、本格的に活動を開始します。当然、補修する屋根は高所で危険ですし、足場は悪く、命綱をまきながらの専門性が必要とされる作業であり、素人が簡単に出来る仕事ではありません。身体的には、単純な作業に見えますが、実は、プロに取っても命がけの作業なのです。

 

 今回の高槻市社協のボランティアに対しての受け入れ体制は、当初は、間違いなく、役所仕事的な対応であり、相手の専門性や経験知を尊重しない、硬直化した自由度が脆弱な対応姿勢、仕組みだと評価せざるを得ません。なお、各社協によっては、当然、受け入れ態勢に整備・未整備などの温度差があることも事実だと理解していますので、今回の不充分な対応もやむを得ない仕方がないこととも考えています。

 

 当会は、とにかく、何よりも、地震などにより瓦がずれ、剥がれ落ちそうで、壊れた屋根の“雨漏り”を防ぐことが、最大の目的です。一刻も早く、専門の職人集団による屋根の補修作業を実施して、被災者の皆様が雨漏りの心配や被害がないような居住環境を整備することを考えています。

 

 雨漏りがなければ、被災者が自宅に住むことができ、精神的・身体的な負担がほとんどなくなり、地域住民が避難所や仮設住宅などに行かなくてもよくなり、地域を離れないので、地域のコミュニティーも崩壊することもありません。地域に地域住民が残れば、共助・自助の助け合いの仕組みも動き出し、復興・復旧もスピードアップします。自宅にいられることは、災害を乗り越えていくための最大の原動力、安心材料になります。

 

 今回の高槻市での新たな支援のあり方として考えたのは、地元の民生委員さんや自治会との連携・協働体制の構築でした。結果的には、その体制で実施した地域では、効率的に作業箇所が選定され、段取りよく作業もできて、30軒近くの被災者の自宅の雨漏りを補修することが出来ました。大型者の駐車場も確保していただき、不審者的な不安を持つ被災者への支援目的の説明やサポートもしてくれました。

 

 自治会の組長さんも動いてくれたことから、私たちへの信用度も得て、自治会内部での不公平さの解消・調整も図っていただき、スムーズに作業が進み、高槻市の互助意識の高さを感じました。

 

 多分、社協の体制に従って実施していたら、1軒行くのに30分ほどの道のりを別々に行かされますし、行き先が留守の場合もあり、作業が出来ない事例もあります。まさに、民生委員さんや自治会を介しての地域中心の体制を構築しての支援活動の利点と効率性、必要性、重要性を実感しました。この様に、小単位の自治会を中心にした支援活動に力点を置くことが、適切な体制であることを学びました。

 

 以上、総括的な意見をまとめてみましたが、これらの概要につきましては、今後、当会として「災害支援を考えるシンポジウム」の開催などを通して、皆様にお伝えしていくとともに、山梨県や静岡県の両県知事や県議会、国の関係機関、国会議員、防災大臣などに対して、職人派遣の重要性の評価と支援体制の整備についての「意見書」にまとめて、提言していく予定です。

 

   

2018/7/21 15:11 ( 活動レポート )
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