9/28 鎮守の森探検隊第6回 楽寿園にて [地図表示]
第6回となりました鎮守の森探検隊、今回のテーマは「身近なジオサイト、楽寿園」です。
三島駅のすぐそばにある楽寿園、三島市で数少ないジオ認定ガイドの山口東司さんに案内していただきました。
国内で20ヶ所しかない環境の保全と活用を目指すジオパークのうちのひとつである楽寿園、どんなものがあるのでしょうか。
まず入って見たのは「溶岩塚」、「縄状溶岩」という岩です。
昔、火山が噴火したときの溶岩が冷えて牛乳の膜みたいになって固まり、それが重なったものなんだそうです。
普通は、上から流れてくるので、ネックレスのような模様になるのですが、ここでは、流れてきた溶岩に下から押され、普通とは反対に真ん中が盛り上がった模様が見られます。
また、別の場所にある縄状溶岩は、左側に寄ったり、右側に寄ったり、この模様で、溶岩が一方からだけではなく、四方八方から流れ込んできたことがわかるのだそうです。
溶岩の上に大きく根を張る樹木 溶岩の間から生えた木
ちなみに、この溶岩は「三島石」といって、とても硬いので昔はお餅をつく臼や、墓石などに利用されたそうですよ。
ここ、楽寿園の溶岩も利用されていたようで、園内でも石を切出した跡が見られます。
基本的に、これらの溶岩は富士山が噴火した時の溶岩で、玄武岩質の岩の表面には水やガスが抜けたぶつぶつがあります。箱根の山の噴火した溶岩は安山岩でぶつぶつが無いので見分けることができます。
その後は、山口先生による伊豆半島の歴史や、三島のお話を聞きました。
伊豆半島は、4,000万年前に南の海に海底火山として誕生し、海上に出てきたのがおよそ2,000万年前と言われています。年間4〜5cm移動し、60万年に本州と繋がったらしいです。
現在でも伊豆半島の西海岸は年間4?ほど沈んでいるそうです。
また、ハワイも年間4?位ずつ日本に近づいているそうです。
昭和5年の北伊豆地震のことも少しだけ触れて、丹那で酪農が盛んになったのは理由などを伺いました。
当時の震度計で震度6ですが、今の表示だと震度7規模だったようです。
この地震以前の丹那ではワサビ栽培が盛んだったそうですが、地震により湧水がなくなってしまったため、酪農が盛んになったとのことでした。
ユネスコの世界遺産は、保全と保護を目的とし、ジオパークネットワークの世界ジオパークは、保全と活用(活用することで地域の発展を目指す)を目的としているのだそうです。
伊豆半島ジオパークは、世界ジオパークへ2015年認定を目指しているとのことです。
三島で美味しいうなぎが食べられるわけは、「水がおいしい」からだそうです。
きれいで、つめたくて、バナジウムたっぷりの湧水。これからも大事にしていきましょう。
お話を伺った後、再び園内のジオポイントを観察しました。
最後の方に、楽寿館の前を通りました。ここは昔、皇族の方が住んでいて由緒ある建物だったため、戦争の時にアメリカ軍が三島を攻撃しなかったというお話をいただきました。
小浜池にて湧水についてのお話を伺い、ここで解散となりました。
今回は色々と勉強になるお話の回でしたが、子どもたちも楽しかったようです。
一生懸命、メモを取っている女の子の姿が印象的でした。
新たな楽寿園の魅力発見!の観察会でした。
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