静岡県三島市と沼津市の境界に位置する「松毛川(沼津市では灰塚川と呼ぶ)」は、かつては狩野川の一部でしたが、昭和初期につくられた新堤防によって三日月形の「止水域」として残った、総延長約1,300mの狩野川の旧河川敷です。上・中流部の両岸には、エノキ、ムクノキ、ケヤキをはじめとした潜在自然植生の胸高直径80cm・樹齢100年以上の巨木約50本や、胸高直径60cm以上の樹木約200本から構成される、希少・貴重な河畔林が生存しており、かつての狩野川の原風景・原自然である自然堤防の原環境が残っています。
特に、松毛川右岸は、胸高直径80cm以上の巨木の群落が存在する、松毛川の中でも最も重要なエリアですが、農地確保のために河畔林の伐採が進み、林幅は5〜10m程度しかなく、群落を維持するには狭小な範囲になっています。さらに、河畔林の適切な維持管理が充分になされずに放置状態になっており、近年、河畔林の風害による巨木の倒木や土羽の自然堤防の侵食と崩壊が進行・拡大しており、今後、自然堤防の土羽の補強や河畔林の林幅を20m程度確保・拡大しなければ、これらの貴重な「ふるさとの森」が地域から消滅してしまう危機的な事態に追い詰められています。
そこで8月22日、自然護岸の浸食を防ぐ手立ての実証実験として、右岸約40mに、「竹しがら(竹などを編んで、一定の間隔で杭を打ってつくった柵)」の設置に取り組みました。広川建設の広川敏雄さんの指導のもと、都留文科大学渡辺ゼミをはじめ、早稲田大学、静岡大学の大学生とグラウンドワーク三島のスタッフ等25人が参加しました。
まずは、竹しがらの設置予定地の川岸などの下草刈りとゴミ拾いを行い、ゴミ袋約10袋分を回収しました。
続けて、松毛川右岸で伐採した竹材を活用してつくった竹しがら約100束を川岸に運び、長さ40m、幅1.5m、高さ1.0mにわたり設置し、「森の堤防」が完成しました。
さんさんと太陽が照りつける猛暑の中での約4時間の作業となりました。参加者の大学生の皆さんは、竹しがらの結束・運搬・設置・下草刈り・ゴミ拾いなど、それぞれで役割分担しながら作業を進めてくれました。短い時間で、全ての竹しがらを設置することができたのは、この皆さんの頑張りがあったからだと思います。参加者の大学生・スタッフの皆さん、早朝から段取りの準備をいただいた広川さんたいへんありがとうございました!
グラウンドワーク三島では、今回の実証実験の検証を進めながら、松毛川千年の森づくりを進めていく予定です。
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