「グラウンドワーク三島」のさらなる挑戦と発展を目指して(平成30年1月1日)

2018/1/4 12:14 投稿者:  gwmishima

事務局長のつぶやき・平成30年元旦

「グラウンドワーク三島」のさらなる挑戦と発展を目指して

 

 皆さま、明けまして、おめでとうございます。昨年の「グラウンドワーク三島(GW三島)」の多様な活動に対しましては、多くの関係者によるご理解とご協力をいただき、深く感謝いたします。諸般の活動は、確実な成果と実績を残すとともに、「緑の都市賞」受賞など、多くの機関から社会的な評価・表彰を受けました。これも皆さまからのご支援の「力」が結実してのことだと思います。

 

 さて、いよいよ、今までGW三島が培ってきた、「市民力」と「行動力」の真価が試される激動と挑戦の年がスタートいたします。設立以来、26年間にわたり、「水の都・三島」の「エコロジーアップ」の強化と「NPOビジネス」の拡充を、活動の基本方針に位置付け、三島固有の文化性・歴史性・環境性・地域性を活かした魅力的なまちづくりを進めてきました。

 

 合言葉は、「右手にスコップ・左手に缶ビール」「議論よりアクション」「走りながら考える」などであり、「現場第一主義」が信条・理念です。GW三島は、複雑な地域課題を抱えた、具体的な現場・地域・町内などに出かけて、「ゴミを拾い、草を刈り、ヘドロを排除し、竹を伐採し、木を植える」など、人が近づかない厳しい現場において、地道な環境改善活動を続けてきました。

 

 支援者の皆さまの1人1人の「小さな力」を、現場での実践活動を通して、具体的な成果を残す「大きな力」に変えて来ました。現場での継続的な活動が蓄積されたことにより、26年間の歳月の経過を経て、現在、源兵衛川や松毛川(灰塚川)、境川・清住緑地、三島梅花藻の里、雷井戸など、65箇所もの実践地と先駆的なNPO活動の実績を残すことができました。

 

 源兵衛川では、外来種の草刈りや堆積土・ヘドロの排除など、年間12回以上の作業をこなし、延べ500人もの参加者を得て、約300万円もの資金投入を行い、GW三島としての自主的な維持管理を担ってきました。

 

 現在、源兵衛川では、5月上旬から6月下旬までの間に、自然発生のゲンジボタルが延べ2,100匹近くも飛翔しています。絶滅危惧種のホトケドジョウも600匹以上も生息し、静岡県の天然記念物である三島梅花藻の白い花が水中に咲き乱れる、豊かな水辺環境が再生されています。

 

 多様な関係者の努力が結実して、源兵衛川は、2016年11月8日に「世界かんがい施設遺産」に登録され、その歴史的・技術的な価値と市民主導による保全システムが世界的に認められました。三島の宝が世界の宝になりました。

 

 次は、「世界水遺産」への登録であり、今後、世界遺産のダブル受賞が世界で最初に実現する可能性があります。三島の宝が世界の宝にランクアップして、世界中から三島を訪れる視察者や観光客の増加が期待されます。

 

 松毛川(灰塚川)では、三島市御園地区と沼津市大平地区に存在する、貴重な河畔林を覆う竹林の伐採作業を左右岸延2,500mの区間を10年間にわたり続け、5,500本の樹木を植林してきました。結果、巨木の根元に光が差し、風が吹き通り、幼木が育ち、新たな森が創られ、虫たちが這い出して餌も増え、120種類もの鳥たちが飛び回る、ジュラシックパークのようなサンクチュアリが存在しています。都留文科大学の学生やボランティアの皆さまによる現場での単純作業の蓄積が、自然再生・千年の森づくりの礎と原動力になっています。

 

 三島駅南口の再開発事業では、三島の未来像を市民の議論とアイデア、責任で創り上げる、市民に開かれた「ワークショップ」を15回も開催して、延べ1,000人以上の市民参加を得ました。また、「市民セミナー」も10回も開催して、延300人以上の市民参加を得ました。街は市民のものです。三島市の将来は特定の企業や政治家に委ねるものではなく、今の三島市の街の姿のように、市民の発意と努力によって、独自の経済振興のしくみや賑わい、街の特性・魅力を創意工夫していくものだと考えています。

 

 「西街区」を開発する東京急行電鉄㈱に対しては、「水の都・三島」の宝物といえる、地下水への悪影響を防ぐための「市民監視システム」を構築して、基礎工事における、楽寿園小浜池に流れる、貴重な地下水への影響を監視・確認していきます。また、三島市土地開発公社や三島市における、西街区に関わる土地売却の手続きについての真相究明を行います。

 

 「東街区」では、「伊豆・富士山の玄関口」としての優位性と多様な魅力を広域的に発信することができる斬新な「市民総意」の整備計画を提言・実現していきます。また、「公募の即延期」の署名活動をさらに強化して、1万人以上の署名を集め、豊岡市長と川勝知事に公募の即延期の市民の意向を伝えていきます。なお、三島駅南口東街区の高層マンションと商業施設などの開発事業については、川勝知事は12月の定例記者会見で明確に「反対の意向」を表明しています。

 

 今後とも、三島での地道な市民活動を前提として、GW三島の先導性と革新性を国内外に向けて発信し、「地域協働・パートナーシップ」の仕組みを活用した、先進的なまちづくりの「先導役」としての役割・責務を的確・着実に果たしていきます。

 

 今年の主要な事業案・活動案としては、以下の通りです。

①2月23日と24日に「グラウンドワーク三島設立25周年記念事業・バイカモ国際交流フォーラム」の開催(韓国の提携団体との国際会議開催)

②農業事業・街中カフェ・民泊ビジネスを中心とした「NPOビジネス」の強化(梅花藻米・三島そば・三島トマト・三島うどん等のブランド化と販売)

③ネパールでの「ネパール・富士山・グローバルビジネス学校」の開校

④ギニアでの「ギニア・三島・ビジネス人材育成日本語学校」の開校

⑤新たな「三島・魅力アップ事業」への取り組み

三島市大場地区「健幸フロンティア事業」

三島駅南口東街区「しずおか伊豆・文化の森セントラルパーク事業」、

 「富士山・伊豆・世界遺産ビジターセンター開設事業」

 (富士山・深良用水・源兵衛川・韮山反射炉・わさび田農業遺産・伊豆ジオパーク等の情報発信拠点)

⑥台湾社区大学・ネパール各大学・韓国ナショナルトラスト・英国グラウンドワーク連合体などとの人的交流事業の実施

⑦松毛川(灰塚川)「千年の森づくり事業」、境川・清住緑地「水の郷整備事業」、大溝川「梅の郷づくり整備事業」、御殿川「水の散歩道整備事業」、大場地区「桜山再生事業」などの市民総意の各種事業・活動に積極的に取り組んでいきます。

 

 今年も、GW三島の事業・活動は、多種多彩な夢にあふれて無限です。今後とも、これらの創造的な「夢」の実現化・事業化に向けて、エネルギッシュな行動力と発想力を駆使して、果敢に挑戦していきます。

 

 私は本年68歳になります。今後とも、都留文科大学や常葉大学・立教大学・サイバー大学での講義や英国・韓国への海外スタディツアー、台湾・ネパールでの行政アドバイザーの役割、全国各地での講演会への対応、GW三島の管理運営、GW三島が創業した㈱パートナーシップトラストと㈱アグリライフ三島の代表取締役、個人に関わる㈱ジャンボ渡辺まちコンサルティングと一般社団法人富士山学協会の代表を担い私が背負う仕事と責任は多様性にあふれています。

 

 今後とも、精神的にも体力的にも問題のない健康状態を維持しながら、毎日、美味しいお酒が飲めることを励みとして、「NPO大好きおじさん」の「挑戦」を継続・発展させていきます。引き続きの皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 

NPO法人 グラウンドワーク三島専務理事 渡辺豊博

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