グラウンドワーク三島25周年の節目の年を迎えて(平成29年1月1日)

2017/1/4 10:22 投稿者:  gwmishima

事務局長のつぶやき・平成29年元旦
グラウンドワーク三島25周年の節目の年を迎えて

 

 皆さま、明けまして、おめでとうございます。

 

 昨年も、「グラウンドワーク三島」の多様な活動に対して、多くの関係者によるご理解とご協力をいただきました。諸般の活動に対しては、確実な成果を残すとともに、多くの機関からの社会的な評価・表彰を受けてきました。これらも多くの皆さまの絶え間ない支援の力が結集・結実してのことだと感謝の気持ちで一杯です。

 

 さて、期待と不安が交錯する、さらなる飛躍と挑戦の年がスタートいたします。今年は、「グラウンドワーク三島」の活動が開始して25周年となる記念すべき節目の年を迎えます。この25年間にわたり、「水の都・三島」の「エコロジーアップ」「環境再生」を活動指針として、三島固有の文化性・歴史性・環境性を活かした魅力的なまちづくりを、多様な関係者とともに創り上げてきました。

 

 ご存知のように合言葉は、「右手にスコップ・左手に缶ビール」「議論よりアクション」であり、「現場主義」が信条です。私たちの役割は、複雑な地域課題を抱えた現場に数多く出かけ、「ゴミを拾い、草を刈り、ヘドロを排除し、竹を伐採し、木を植える」など人が寄り付かない現場で地道な活動を続けてきました。

 

 支援者の皆さまの1人1人の力の足し算が、現場での実践活動を通して、具体的な成果を残す、大きな力に変わりました。単純な現場での活動が継続されたことにより、25年の歳月の積み重ねを経て、現在、源兵衛川や松毛川(灰塚川)、三島梅花藻の里など、63箇所もの実践地と先駆的なNPO活動の実績を蓄積することができました。

 

 「源兵衛川」では、外来種の草刈りや堆積土・ヘドロの排除など、年間10回以上の作業をこなし、延べ500人もの参加者を得て、約300万円もの資金投入を行い、「グラウンドワーク三島」としての独自の維持管理を担ってきました。

 

 現在、源兵衛川では、5月上旬から6月中旬までの間に、自然発生のゲンジボタルが延べ1,800匹近くも飛翔しています。絶滅危惧種のホトケドジョウも500匹以上も生息し、静岡県の天然記念物である三島梅花藻の白い花が水中に咲き乱れる、豊かな水辺環境が再生されています。

 

 多様な関係者の努力が結実して、源兵衛川は、昨年11月8日に「世界かんがい施設遺産」に登録され、その歴史的・技術的な価値と市民主導による保全システムが世界的に認められました。次は、「世界水遺産」への登録であり、今後、世界遺産のダブル受賞が世界で最初に実現する可能性があります。「三島の宝が世界の宝」にランクアップして、世界中から三島を訪れる視察者や観光客の増加が期待されます。

 

 松毛川(灰塚川)では、三島市御園地区と沼津市大平地区に存在する、貴重な河畔林を覆う竹林の伐採作業を2,000mの区間、7年間にわたり続け、5,500本の樹木を植林してきました。結果、巨木の根元に光が差し、風が吹き通り、幼木が育ち、新たな森が創られ、虫たちが這い出し餌も増え、120種類もの鳥たちが飛び回る、ジュラシックパークのようなサンクチュアリが存在しています。都留文科大学の学生やボランティアの皆さまによる現場での単純作業の蓄積が自然再生・森づくりの原動力になっています。

 

 三島駅南口の駅前再開発事業では、三島の未来像を市民の議論とアイデア、責任で創り上げる市民に開かれた「ワークショップ」を15回も開催して、延べ1,000人以上の市民参加を得ました。まちは市民のものです。三島市の将来は特定の企業や政治家に委ねるものではなく、今の三島市のまちの姿のように、市民の発意と努力によって、独自の経済振興のしくみや賑わい、街の特性・魅力を創意工夫していくものだと考えています。

 

 今回、「西街区」を開発する東京急行電鉄と東急ホテルズに対しては、三島の財産・宝である地下水への悪影響を防ぐための「市民監視システム」の導入を強く実施・要請していきます。あわせ、「東街区」では、三島・伊豆の玄関口としての優位性と多様な魅力を広域的に発信することができる斬新な「市民総意の整備計画」を提言・実現していきます。

 

 今後とも、三島での地道な市民活動を基盤・前提として、「グラウンドワーク三島」の先導性と革新性を国内外に向けて発信して、「地域協働・パートナーシップ」のしくみを活用した、先進的なまちづくりの牽引役としての役割・責務を的確・着実に果たしていきたと意気込んでいます。

 

 今年の主要な事業案・活動案としては、以下の通りです。

 

  1. 5月20日と21日に開催予定の「グラウンドワーク三島設立25周年記念事業」の実施(英国・韓国・ネパール・台湾の提携団体との国際会議開催)
  2. 農業ビジネス・三島街中カフェビジネス・民泊ビジネスを主軸とした「NPOビジネス」の強化(梅花藻米・三島そば・三島トマト等ブランド販売)
  3. ネパールと日本での「グローバルビジネス専門学校」の開校
  4. 各高校での講座開講による「ヤングボランティア育成事業」の実施
  5. 三島市大場地区健幸フロンティア事業・三島駅南口東街区再開発事業・元三島中央幼稚園活用事業(鎌倉街道接待茶屋構想)・函南町丹那地区旧川口邸宅活用村づくり事業(樹木葬・動物センター・農泊・地域振興施設構想)・水辺のカフェ開設事業(源兵衛川・御殿川沿い)・世界遺産ビジターセンター開設事業(富士山・深良用水・源兵衛川・韮山反射炉・わさび田農業遺産・伊豆ジオパーク等の情報発信拠点)・古民家活用事業(民泊・農泊事業)・自然藻生産事業(アスタキサンチン)など新規事業への取り組み
  6. 台湾社区大学・ネパール各大学・韓国ナショナルトラスト・英国グラウンドワーク連合体・ニュージーランドトンガリロ国立公園・アメリカマウントレーニア国立公園などとの人的交流事業の実施
  7. 松毛川「千年の森づくり事業」・境川清住緑地「水の郷整備事業」・大溝川「梅の郷づくり整備事業」・御殿川「水の散歩道整備事業」・大場地区「桜山再生事業」・楽寿園区域の「緒明の森」命名要請事業

 

など、市民総意の各種事業・活動に積極的に取り組んでいきたいと考えている事業・活動は山積みです。

 

 今年も、「グラウンドワーク三島」の事業・活動は、多種多彩な夢にあふれて無限です。今後とも、これらの創造的な夢の実現化に向けて、エネルギッシュな行動力と発想力を駆使して挑戦していきます。

 

 私も本年67歳となりますが、都留文科大学や常葉大学・立教大学・サイバー大学での講義や英国・韓国への海外スタディツアー、台湾・ネパールでの行政アドバイザーの役割、全国各地での講演会の開催、グラウンドワーク三島の管理運営責任など、担い、背負う仕事は多様性にあふれています。

 

 今後とも、精神的にも体力的にも問題のない健康状態を維持しながら、美味しいお酒が飲めることを楽しみにして、「NPOおじさん」の「暴走」が発展的に継続していきます。引き続きの皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 

NPO法人グラウンドワーク三島 専務理事 渡辺 豊博

 

 

■添付資料

「健幸フロンティアタウン大場」整備計画書・説明の概要(平成28年6月25日)(PDFファイル)

 

 

 

 

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