復興支援型インターンシップ先進地研修3日目

2012/8/7 0:00 投稿者:  gwmishima

 研修3日目は、講義の日です。午前中は、まず「被災地における先進的なソーシャル・ビジネス」として、石巻専修大学准教授の李 東勲先生に講義をしていただきました。 

 

 人間には4つの「不」(不足、不満、不安、不快)があり、これを解決する方法を見つけることがマーケティングです。 

 

 マーケティングで大切なことは「4Ps」といってProduct(どのような製品を)、Price(どのような値段で)、Promotion(どのような宣伝活動を通して)、Place(どこで売るか)、があります。これら4つを社会のニーズに応えながら、考えていくことが大切、とのことでした。

 

 また、非営利企業のポイントは3つあります。

  1. 着眼点―認識、解決の提案力。
  2. 過程―ネットワークの形成。協力することは第5の経営資源です(他の経営資源は、人、物、金、情報)。
  3. 成果―地域を越えた取り組み。

 非営利企業とは地元の課題を見つけ、文化や歴史を再認識し、それを仕事にしていく新しいビジネスである、とのことでした。

 

 

 

 続いて、フェアトレード東北の布施 龍一代表理事に「フェアトレード東北の取り組み」として、講義をしていただきました。フェアトレード東北は、石巻市を拠点に10年以上の活動を続けているNPO法人です。

  

 震災前は障害を持つ子供の支援や自殺対策事業、犯罪予防などをしていました。夜の街で会った青年をきっかけにリストカット、風俗、虐待、引きこもりなど様々な悩みを持った若者から相談を受けるようになりました。何かをさせないと彼らはろくなことをしないと思い、一緒に働くことはできないか、と考え一緒に米作りを始め、「ニートと言われ米」として売ったところ即完売したとのことです。 

 

 震災後はソーシャルビジネスとして高齢者訪問・託児所開設など主に福祉の仕事をされてきました。また、「庭いじりや家庭菜園をもう一度楽しみたい」、「友達をつくりたい」「もう一度働きたい」といったシニアの声を元に、失われたコミュニティの再形成、生きがいづくり、そして雇用支援等を目的に、東京の企業等との協力のもと、「ソーシャルファーム」にも取り組んでいます。

  

 様々な人を支援するのは彼らに幸せになってほしいからですが、そもそも「幸せとは?」という問いにぶつかりました。幸せとはお金を含め「生きがい」「希望」を人に与えられることではないでしょうか。仕事を通じて社会と関わることが、人間本来の持つ「幸せ」ではないでしょうか。

  

 「幸」と言う字は「辛」という字に1つ足したものです。つまり「人の幸せとは、不幸の裏にある」ものであり、ソーシャルビジネスとは社会の問題、そこにある不幸を解決する仕事である、とのことでした。

 

 

 

 午後は、まず、三島市の豊岡武士市長に歓迎と激励のご挨拶をいただきました。豊岡市長は、グラウンドワーク三島の古くからのメンバーで、グラウンドワーク三島の良き理解者でもあります。グラウンドワーク(三島)のキーワードの一つは、「パートナーシップ」ですが、その一端を感じていただけたのではないでしょうか。

 

 

 

 続いて、パブリックリソースセンター理事の鷹野 秀征先生に、「社会的企業の役割とは」、「社会的企業を立ち上げよう」、「事業計画を作成しよう」と3本の講義をしていただきました。

  

 鷹野先生は、震災後、東北での復興支援活動に、週の半分以上の時間を費やしているとのことです。

  

 NPOや社会的企業が必要とされるのは社会的ニーズの変化、家族や地縁社会の変化、行政・政府の行き詰まり、ボランティアや社会への参加増大があげられます。

  

 日本の現代社会では今までの制度では解決できない問題がたくさん発生してきていて、そうした問題を解決するためにNPOや社会的企業が必要とされてきている、と社会的企業の役割について説明いただきました。

 

 また、日本では認知の低い社会的企業を実際に立ち上げるためのノウハウを、これまでの事例から紹介していただいた他、実際に起業するまでの準備期間に行う必要のある、事業計画作成に関して具体的に講義をしていただきました。 

 

 その中では特に、自分自身の可能性への気づきなども組み込まれており、参加者各人の自己発見につながったところが再発見でした。

 

 

 

 明日、4日目は初日〜3日目までの講義や体験学習等を踏まえてのグループワーク(ワークショップ)です。