3月25日（土曜日）、松毛川左岸（灰塚川）において植樹体験会とボート上からの河畔林観察会を実施しました。この日、天候にも恵まれ春の陽気が心地良いなかの開催となりました。

　午前中は、以前に放置竹林を伐採した跡地のゴミ拾いと抜根作業を実施しました。この日も、抜根作業は、大きな重機では処理しきれない根を、一つひとつ手作業で取り除き、森となる新しい樹木を植林できる環境にしていきます。渡辺豊博グラウンドワーク三島専務理事からの「手作業による地道な作業ですが、小さな一歩を重ねることで生態系豊かな森へと生まれ変わる」とのメッセージを胸に、参加者は作業にますます力が入っている様子でした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　抜根作業

　次に、整地済の河畔に植樹作業を実施しました。松毛川の潜在自然植生である、ケヤキ、エノキ、シラカシなどの苗木50本を手際よく植えました。立派な森になる日を思い浮かべながらの作業となりました。

　参加者で体を動かしながら、手際良く作業を進められたこともあり、午前の作業は、予定より早めに完了させることができました。こういった地道な作業の積み重ねですが、多くの人の手で松毛川（灰塚川）の「千年の森」をつくりあげていきたいものです。

　　　　　　　植樹作業

　午後の最初には、富士自然観察の会の山田高会長と、静岡県環境学習指導員の小澤緑さんを講師にお招きした「自然遊びの会」を実施しました。

集まった子どもたちは、さっそく山田先生から「何でもいいから見つけてみて」と言われたのですが、足元を見てみるもののなかなか見つけられません。山田先生や小澤先生からホトケノザ、タンポポ、ナズナなどの春の植物を次々と説明してもらううちに、子どもたちも熱心にお話を聞き、次々に植物を発見しては先生に教えてもらいました。生態についてだけでなく、食べられる植物や草笛の遊び方など教えてもらい、楽しく自然観察ができました。

　小腹がすいてきたところで、次はノビル探しです。見つけてきたノビルをきれいに洗い、お湯で煮て塩昆布と合えました。ネギのような風味とシャキシャキした食感で、参加者の大人からは「こんなに美味しいとは思わなかった」と好評でしたが、子どもたちは少し辛かったようです。そしてツクシと春の野菜が入った小澤先生自前のケーキもいただき、春を十分に堪能しました。

　　　　ノビル調理の様子

　次に、ネイチャークラフト体験で笛づくりと、パラシュートづくりに挑戦しました。自然にある材料を使い、はさみやテープだけで簡単に作ることができ、各々自分の納得のいく作品をつくって楽しみました。

　　　　　　笛づくり　　　　　　　　　　　　　　　　　パラシュートづくり

　続けて、松毛川にゴムボートを浮かべた河畔林の観察を実施しました。松毛川に6人乗のゴムボートを浮かべ、遊水匠の会の安藤英彰講師に漕ぎ方を教えてもらいながら、川の上から、河畔林の巨木やカモなどの野鳥を観察しました。豊かな自然を見ることができた一方で、流れ着いた多くのゴミも見ることができ、人間と自然の付き合い方を考える機会になりました。富士山自然誌研究会代表の菅原久夫講師からは、身近にある木や森にはどのような植物があるのか、その大切さについてお話いただき、ふるさとの川と森の貴重性を実感しました。

　　　　　　　ボート観察会　　　　　　　　　　　　　菅原先生からの説明

　松毛川（灰塚川）と周辺の自然環境の豊かさを学び、参加者からは「また参加したい」との声もいただきました。自然とふれあい、体験しながら「ふるさとの森」を守る活動を今後も継続していきたいと思います。