9/10(木)~9/17(木) グラウンドワーク三島・英国スタディツアーを開催
(テーマ:NPO・社会的企業の先進地・英国グラウンドワークのマネジメントを学ぶ)
2015年9月10日(木)~9月17日(木)(7泊8日間)に、英国グラウンドワークのリーダー的組織である、「グラウンドワーク・ロンドン」においてのインターンシップを取り入れた「グラウンドワーク三島・英国スタディツアー」を開催しました。
今回のスタディツアーには都留文科大学や東京農工大学、早稲田大学などの大学生と一般・15名が参加し、オールダム&ロッチデールグラウンドワークトラストの設立に関わったロビン・ヘンショー氏をはじめ、現地の若者やリーダーを招いて、グラウンドワーク・ロンドンが取り組む多様なプロジェクトの視察と体験を通して、活動現場における問題解決力と実践力を学びました。
また、国際的な交流と見識を高めることを目的として、社会的企業タウンとして知られる地域の活性化に成功した「アルストン・モア」や英国ナショナル・トラストが政府から独立した独自の資金確保と管理システムにより保全している世界自然遺産の「湖水地方」や世界文化遺産の「コッツウォルズ地方」を散策しました。バスの移動時間を使った参加者同士の交流では、互いの「夢」についても語りあったり、互いに刺激を与え合う同世代との出会いもあり、非常に質の高い研修となりました。
◆1日目:9月10日(木)夕刻、イギリス・ヒースロー空港に到着。参加者全員と合流後、バスでリバプールへ移動しました。
第2次世界大戦以降、町には失業者があふれ活気がどんどん失われたかつてのリヴァプールは、現在では港湾地区(アルバート・ドックやピア・ヘッド)が世界文化遺産に登録され、観光業を中心に町は再び発展を遂げています。町には、listed buildingと呼ばれる保護対象建造物が並び、リヴァプールの18世紀から20世紀の歴史を示すものとして高い評価を受けています。
◆2日目:9月11日(金) リヴァプールから約3時間バスで移動し、2,000人が住む社会的企業タウン「アルストン・モア」を訪問。20もの企業が活動するタウン内でインターネット事業に注力する社会的企業「Cybermoor」の取り組みをDaniel Heerly氏にご講義頂きました。
午後は、廃線鉄道の保全と活用に取り組む、「South Tynedale Railway」を訪問。
続いて、19世紀は鉛の生産が盛んで1万人が住んでいたとされるNentheadを訪問。現在は、300人が住む小さな町となりましたが、町の中を「The Pennine Way」が通るため、サイクリングやウォーキングを楽しむ観光客が休憩に立ち寄ります。続く5年を完成の目途に、町の中心にある廃教会を利活用した観光客や町の人々が使える公共スペースを再建中です。住民が出資者になり運営するコミュニティショップや行政からの委託を受け管理する公園や公共トイレも観察しました。
◆3日目:9月12日(土)ロビン・ヘンショー氏と湖水地方フットパス散策
午前中は、英国グラウンドワーク設立に大きく貢献したヘンショー御夫妻に、これまでの英国グラウンドワークの取り組みや、住民・民間企業・行政・NPOのパートナーシップの仕組みについてご講義頂きました。
午後は、Windermereへ移動し、「Orrest Head」と呼ばれるフットパスを散策しました。一切の看板等何もない頂上では360度湖水地方が見渡せ、その美しさに参加者一同感動しました。
◆4日目:9月13日(日) シェークスピアの生まれた町ストラトフォード・アポン・エイボン~コッツウォルズ地方を散策
午後は、コッツウォルズ地方の隆起した土地の上にできた町「Upper Slaughter」「Lower Slaughter」を視察。続いて、コッツウォルズのヴェネチアと呼ばれ、多くの観光客が立ち寄る「Bourton-on-the Water 」と、絵本の中に出てくるような伝統的な家屋が建ち並ぶ「Bibury」を訪問しました。
◆5日目:9月14日(月) グラウンドワーク・ロンドンの活動先の視察とロンドン市内で活躍する社会的企業「bikeworks」を視察
グラウンドワーク・ロンドンのTerry Sinclairs氏と合流後、ロンドン市内の地下鉄を利用して1つ目の活動先のオフィスビルディングと住宅が交互に建ち並ぶホクストン・スクエア公園に向かいました。公園の維持管理を目的に、「TREE×OFFICE」という移動式簡易オフィスが試験的に設置され、民間企業の打ち合わせや近隣の住民が使うなどして利用価値を高め、資金源を確保しようとする取り組みを視察しました。
2つ目の活動先は、ロンドン・オリンピックが行われたスタジアムに隣接したモバイル・パークに向かいました。近隣に住むアパートの住民や小学校の生徒を対象にした体験と学びを実感できる研修プログラムを提供していました。敷地内には、ソーラーパネルを利用した簡易トイレ、コンポスト用のコンテーナーや枯れた草花のリサイクルボックスが設置されていました。
午後は、2006年からスタートした社会的企業「bikeworks」を訪問しました。ロンドン市内でも特に貧しい人々が住んでいる地域で、経営者であるJim Blackemore氏が大好きな自転車を使って社会貢献をしたいという熱い思いからできた会社です。経営状況が厳しい昨今においても、社会的弱者と呼ばれる人々に研修や雇用の機会を与えたいと語り、新たなビジネスモデルプラン実現に向け経営に取り組んでいた様子が印象的でした。
◆6日目:9月15日(火)「The Conservation Volunteers」のフィールドワークに参加
研修最後のプログラムは、地元のイギリス人と交流しながら、リジェンツ・パークでの公園整備活動に参加しました。
午後は、全ての研修プログラムを振り返り、参加者の意見交換会を行いました。
研修先各地での交流や学びを通じて、英国特有の人柄が生んだ社会的企業や環境保全と観光の両立を調和させる英国グラウンドワークと英国ナショナル・トラストの仕組みや理解を深めました。
来年年明けに、参加者による報告会の開催を予定しています。
詳細は追ってお知らせいたします!
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