「水の都・三島」を代表する水辺自然である源兵衛川は、昭和30年代から環境悪化が進行し、ドブ川と化してしまいました。これに心を痛めた多くの市民が立ち上がり、企業・行政とのパートナーシップによる水辺再生に努力した結果、清流のシンボル・ホトケドジョウ(静岡県絶滅危惧1A類/東部地域)、カワセミ、ゲンジボタルなどが生息する、自然度の高い清流によみがえりました。
ところが平成19年12月、中流部で生コンの流出事故が起こり、ホトケドジョウなど多くの魚類、水生生物が死滅してしまいました。
これを受けてグラウンドワーク三島では、地域の皆様と共に、源兵衛川の生態系保全活動を開始しました。平成22年からは、源兵衛川中流部の第4ゾーン・三島中央病院沿いの約100m区間で、ホトケドジョウなど魚類・水生生物の生息・繁殖に適した水辺環境の再生に取り組んでいます。
今回、この区間のエコアップ(環境改善)をさらに進めるための「環境再生ワンデイチャレンジ」を実施しました。高校生、流域住民、グラウンドワーク三島スタッフ等約20人が参加しました。
まず最初に、富士常葉大学非常勤講師の菅原久夫先生(植生植物)の解説のもと、川沿いを歩きながら、源兵衛川の植生植物や生態系について学びました。作業区間には、在来種のカワヂシャなどが群落として生えている一方で、ヒメツルソバ、ツルニチニチソウ、特定外来植物に指定されているキショウブなどの逸出種・外来種などが侵入していることが分かりました。また、本日行う作業についても確認しました。
その後、外来植物の除去(草刈り)と、溶岩や砂を入れてのワンド(淀み)づくり、在来植物のセキショウ、ミクリの移植を、参加者で分担して行いました。
約2時間の作業で、岸辺に溶岩や砂があり、在来植物が生える、多様性のある岸辺に生まれ変わりました。今後、希少種ホトケドジョウをはじめとした魚類や水生生物のすみかとなることでしょう。
グラウンドワーク三島では、来年度も、ホトケドジョウをはじめとした多様な生き物の生息環境の再生創出活動を進めながら、源兵衛川の生物多様性の保全に取り組んでいく所存です。引き続き、皆様のご理解・ご協力をお願い致します。
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