富士山を水源とする湧水地は、静岡県・山梨県内に400~500ヶ所も存在していますが、周辺の開発行為の進展による湧水地の減少や改変、水質悪化などの環境問題、被害が発生しており、富士山を水源とする川や海の資源保護のためにも湧水地の保全対策が大きな課題となっています。
そこで当会では、平成25年度より、公益財団法人粟井英朗環境財団の助成を受けて、富士山麓の湧水地調査による実態把握とwebページ「富士山湧水マップ」の作成を進めており、調査の進行役や実践者の役割を担う若い人材の育成と、富士山麓の湧水調査を継続的に実施しております。
今年度は、8月から9月にかけて、夏季豊水期の調査として富士山麓の湧水地約80カ所を調査してまいりました。
調査項目は、水温、電気伝導度、pH、全硬度、COD、硝酸態窒素、色、濁り、臭気、流量などです。
去る11/21(金)、11/28(金)、12/5(金)には、都留文科大学の学生と共に主に北麓に点在する湧水地約20カ所の水質調査を行いました。
この3日間にわたる調査を終えた感想としては、「身近にこんなにも多くの湧水地があることに驚いた」、「見た目だけでなく、実際の数値としても湧水がきれいなことを実感できた」「水質の調査を通して、開発行為による水源汚染に興味を持った」といった声が学生から聞かれました。
今回の調査をきっかけに、湧水地の保全策や持続的な活用方法について興味を持ち、研究へと繋げてくれる学生が現れることを期待しています。
また、これから2月にかけて、冬季渇水期の調査を実施していく予定です。
夏季調査と合わせ、詳細な調査結果についてはまた後日ご報告させていただきますので、皆様ご期待ください!