グラウンドワーク三島のMrグラウンドワークこと渡辺事務局長が、グラウンドワーク三島に関して、また、環境改善・まちづくりの具体的な取り組み方、「NPOって何?」など、豊富な経験に基づいて何でもお答えします。
質問募集中です!渡辺事務局長に質問がございましたら、グラウンドワーク三島Q&A係info@gwmishima.jpまでお問い合わせください。
困った時にネットワークを使って、自分ひとりで抱え込まないようにした。これは、NPOを動かしていく上でのひとつの資質だ。また、困らないような環境をふだんからつくっておくことが大切だ。まず困ると、次の時は困らなくなる。そして精神的にも組織的にも、どんどんずうずうしく強くなっていく。
自分の役割、自分のやりたいことが明確になっていないと、ただ参加していても飽きてしまう。自己の確立がしっかりできていて、それを実現するための道具としてNPO活動をしていくということになる。自分が活き活きできるNPO活動を見つけることが大事なことだ。いろいろな人からいろいろな刺激を受けるのがよい。
参加とは何だろうか?人数だろうか?一般的には、参加者がたくさん来ることは、活動が評価されていると考え、満足感に浸れる。私自身も最初は、そういうふうに思っていた。だから人を呼ぶことに努力してきた。「皆さんも来るべきだぞ」という、やや押し付けがましいところがあったのではと思う。活動をやる時、おでんや焼きうどんが食べられるという付加価値をつけると、恐ろしく人が来る。ものすごくお金と神経を使い、心配して、ふっとまわりと見ると、ゴミだらけだったこともある。
どういう意味で真なる影響を人々に与え、人々に自立性という「心の変化」を与えることができたかが活動の真価だ。私のイメージでは、10人程度が持続的な活動に参加してくれるようになれば、参加してくれたと思っていいのではと思う。最初は、やや参加して様子を見る程度だと思うが、来ていただいた上で、その後ろにある社会的背景について考えながら、ではどんな対応ができるのか、理解してもらいながら、もっと具体的な、もう一歩を突っ込んでいく活動に誘導していくことになる。
参加人数が多いと、活動についての理念や目標を説明できる場面が少ない。しかし、10〜20人程度だと、熱い思いを伝えられる。残ってくれる人は、だいたい確率的には10%か20%だ。さらに活動の主体者になってくれるのは本当に少ない。現場に来てもらうのが一番の説得力だ。
自分がそこで疲れてしまったり、傷ついてしまったり、自分を見失うようだったら、辞めたほうがいいと思う。NPO・ボランティアといっても組織であるから、規範とかルールとかあるので、小さな束縛の中で、どれくらい自分が表現できるかということだ。
NPO・ボランティア活動は「夢舞台」でもある。人のことを思い、支え合う組織なのだ。そういうことを心がけていただければと思う。10年ぐらい活動していると、精神的にも強くなり、魅力的なすばらしい人間になれると思う。均一的で標準的な縦の個性ではなく、自由度にあふれた創造的な横の個性なのだ。
また、自分自身が十分に理解していないと、わかりやすく伝わらない。自分で体験していないと、余り現場の情報を知らないので、詳しく説明できないから言葉のごまかしが起こる。また、おもしろく聞いてもらえるような話し方をしていないと聞いてもらえない。
私も実践を通して、NPO活動で起こる問題や課題にぶつかり、その都度、仲間と考え、解決してきた。これから一番必要とされるのは「実学」だ。つまり、実践の場において培ってきたマネジメントの能力を、どれだけ自分のものとして使いこなしていけるかということだ。
本に書いてあることを学んでも、すぐ忘れる。実際の活動の中で、実績と信用を得て、資材を手にいれるというマネジメントを学んでいくわけだ。マネジメントのベースは、実践すること、挑戦すること、問題にぶつかり、それにくじけず、どうしたら解決できるかを自分で考え出していく内発的な力だと思う。わからなくなったら、専門家に聞けばよい。
三島には、全国や海外から多くの人々が視察に来る。そして、いろいろなところへ公演に呼ばれ、話をして、グラウンドワーク活動をPRしている。時代を変えていく運動だが、そんなに急激に社会は変わらない。
しかし、質の高い活動が地域の中で渦を起こしていけば、必ずや社会運動となって出てくる。NPO自身も、あちこちでネットワークをつくり、情報公開して、お互いの活動の相乗効果を狙っている。
ボランティアとNPOの違いだが、活動だけしていればボランティアであり、活動をしながら組織論が出てくれば、NPOの方向に動いているといってよい。