台湾での講演&講義

2011/11/10 0:00 投稿者:  gwmishima

 台湾の社会大学と実践大学の招へいにより、11月1日〜5日に、渡辺事務局長と松田事業推進部長が渡航しました。社会大学は社会人教育の一環として、また実践大学は通常の大学教育の中で、それぞれ環境改善等をテーマとしたボランティア活動を熱心に進めています。特に社会大学は、台湾の大学生による評価で首位に選ばれるなど、質の高い教育を提供していることで定評があります。両大学の関係者は、これまで2回にわたってグラウンドワーク三島を訪問しており、協働のまちづくりについての経験を台湾にも紹介してほしいということで、今回の招へいとなりました。

 

 台湾到着後、新幹線で台南へ。1泊した後、本格的なスケジュールが開始しました。まずは社会大学主催のエコツアーに参加しました。学生たちと一緒に、ボートで台江国立公園内の湿地帯を回りました。ここは台湾で一番新しい国立公園とのこと。

 

(インストラクターの説明に聞き入る参加者の皆さん)

 

 上流に工場が誘致されたことで、水質悪化が問題だということでした。今回訪問した下流域は、地域大学の皆さんでゴミ拾いなどを行っているとのことで、素晴らしい景観が広がっていました。たくさんの種類の水鳥が集まる場所になっているようです。

 

 台南市内のミニパーク(海東ビオトープ)にも案内していただきました。私有地とのことですが、地元の方がデザイン、整備し、毎日、ボランティアの皆さんが手入れをしているとのこと。グラウンドワーク三島の実践地のひとつ、「みどり野ふれあいの園」と同じように、街中のオアシスとなっていました。

 (街中に設けられた手作りの公園)

 

 いろんなところで、グラウンドワーク三島の話を求められました。気がつくと、いつもたくさんの人だかりでした。

 

(お寺の一角にて、グラウンドワーク三島の話)

 

 また、来台南市長にもお目にかかり、渡辺事務局長より、グラウンドワーク三島による水辺環境改善と地域再生の経験のプレゼンテーションを行いました。来市長は大変興味深いと、当初の予定を大幅にオーバーして対応していただきました。

 

(来台南市長へのプレゼンテーション)

 

 この日は更に、海佃小学校を訪問しました。児童たちは、「小台江」という環境グループを作り、自主的に地元の環境調査を行っていました。児童たちのプレゼンテーションに耳を傾けたり、日本のことを話をしたり、心休まるひと時でした。渡辺事務局長からは、「地元のことを知り、地元のことを愛する心が大事です」とエールを送りました。

 

(海佃小学校の小台江の児童たち)

 

 夜はいよいよ社会大学で講義です。社会大学の授業は、公立中学校を借りて運営されていました。大変合理的です!

 

 

(ドラえもんもお出迎え)

 

(活発な質疑応答が繰り広げられました。)

 

 翌日は、台南から車で小一時間、高雄へ移動し、実践大学で講義を行いました。

 

(通訳いただいた李先生、ありがとうございました。)

 

 また夕方からは、美濃地区の市民による勉強会で講義を行いました。地元の小学校や中学校の先生など30名ほどが聴講しました。

 

(手作りの勉強会)

 

 会場の前には農業用水路が流れていました。私たちは、翌朝、もう1度訪れて、様子を確認しました。

 

(美濃の農業用水路)

 

 今はコンクリート三面張りのそっけなさ。そして危険な水辺となっていますが、うまく取り組めば、グラウンドワーク三島の代表的な実践地(源兵衛川)のように、素敵な水辺として再生できるでしょう。

 

 11月4日には、大高雄河川フォーラム(学会)において、渡辺事務局長がプレゼンテーションを行いました。

 

 

 また続くパネルディスカッションでは、地域協働の仕組みづくりについて、フロアから多くの質問が寄せられ、関心の高さが伺えました。来年1月に控えている大統領選挙の候補者の1人、孫さんも数台のテレビカメラを引き連れて来場し、学会の様子はテレビでも放映されたようです。

 

 

 短い滞在期間でしたが、毎日、密度の濃い時間を過ごしました。訪問先ではどこでも熱烈な歓迎を受け、今後の交流拡大に向けた手ごたえを感じた出張となりました。現地で調整をいただいた社会大学・実践大学の皆さん、ありがとうございました。再見!