8/9~15「富士山・エベレスト山・若者環境交流事業」を実施

2016/8/22 10:03 投稿者:  gwmishima

 グラウンドワーク三島では、8月9日~8月15日、水資源の保全や活用、環境再生を行うための具体的なノウハウを学び、自身の社会的役割について理解を深め、水資源・環境の現状や問題点などの双方の国情を認識し、環境再生・保全活動等のまちづくりの重要性を学び合い、日本とネパールで水資源の保全や活用、環境再生を担う人材を育成することを目的とする「富士山・エベレスト山・若者環境交流事業」を実施し、ネパール国の学生11人と引率者、通訳の計13名を三島に招聘しました。

 

 同事業は、公益財団法人粟井英朗環境財団の助成金や、皆様からご協力・ご支援をいただきました、グラウンドワーク三島「ネパール大地震支援募金」などにより実現したものです。

 

 6日間の交流事業では、山梨県富士吉田市の「富士山の銘水株式会社」を訪問し、同社の天然水製造過程の見学や、粟井英朗代表取締役社長の講演を聴講し、富士山周辺の数々の湧水池を視察しました。
また、静岡県三島市では、源兵衛川や三島梅花藻の里等、グラウンドワーク三島のプロジェクト実践地の視察と環境改善活動体験、「環境資源を活かした先進的なまちづくりを学ぶ・日本・ネパール・若者意見交換会」、三島市浄化センター・清掃センターの見学等、充実した交流プログラムを実施することができました。

 

 


1日目:2016年8月9日(火) プロジェクト実践地視察

 グラウンドワーク事務所を訪れ、情報交換しました。

 その後、小松幸子理事長の案内により、源兵衛川、三嶋大社、白滝公園、楽寿園などのプロジェクト実践地・名所を巡りました。

 

 

 

 

 

 

2日目:8月10日(水) 源兵衛川ちゃんかけ拾い・生き物探し、三島市長表敬訪問、三島市浄化センター・清掃センター見学

 

 午前中は、渡辺専務理事の案内で、グラウンドワーク三島の実践地である源兵衛川を視察し、汚れていた同河川がいかに復活したか、などの再生の歴史を学びました。「ちゃんかけ拾い」を体験するとともに、生き物観察会を行い、参加者自らが水棲生物の採捕にチャレンジしました。

 ちゃんかけ拾いでは、多くの茶碗のかけらやガラス片が集まり、かつてこの清流が汚れていたことに驚くとともに、生き物観察会ではネパールでは見たことのないようなトウヨシノボリやサワガニなどの魚類・甲殻類に目を白黒させる場面も……

 

 


   

 午後は、三島市役所に向かい、豊岡武士市長を表敬訪問しました。市長から、湧水などの三島の水資源が、観光にも大いに役立っていることの説明を受けるともに、視察団からもネパールの水環境の現状などを説明しました。最後に、視察団から市長に記念品が贈呈されるとともに、市長からも参加者に記念品が手渡されました。

 

 

 


 その後、三島市長伏の三島市浄化センターを訪れ、三島市内の下水の浄化システムについて学ぶとともに、実際の浄化施設の見学を行いました。汚水が徐々に綺麗になっていく様子を見学し、こうした施設のなく、きれいな水が飲めないカトマンズの町にも欲しい、との声が相次ぎました。

 

 

 

 

 これに続き、三島市賀茂之洞の三島市清掃センターも訪れ、ゴミ処理施設を見学し、10数種類に及ぶゴミの分別などについて説明を受けました。視察団は、特に、オートメーション化された施設に目を見張るとともに、視察団面々が居住するカトマンズの町のゴミの分別がわずか3種類にすぎないことと比べ、驚きを隠せない様子でした。

 

 

 

 

3日目:8月11日(木) 富士山南麓清掃活動体験、富士山本宮浅間大社・白糸の滝見学、富士山の銘水株式会社視察

 

 富士山の自然体験と、富士山の銘水株式会社の視察に向かいました。

 

 最初に、富士山の南麓で、道路脇に捨てられているゴミを拾うという清掃活動も経験しました。「きれいになった場所には誰もゴミを捨てたがらない」という渡辺専務理事の言葉に全員が納得。同じくゴミ問題に悩むネパールの実情を改善するためのヒントになったようです。

 

 

 

 

 富士宮市にある富士山本宮浅間大社では、敷地内にある富士からの湧水の起源や、当神社の歴史などを渡辺専務理事から学びました。続いて訪れた白糸の滝においても、その起源が富士山からの伏流水であることに驚くとともに、その雄大さ・美しさに大感動!

 

 

 

 

 最後に訪れた、富士山の銘水株式会社では、粟井英朗代表取締役社長から、同社の水事業が成功に至ったいきさつや、新たな水資源開発事業に対する講義を受けました。

 

 同社が富士山の湧水で成功したように、エベレストからの伏流水でネパールの国民もきっと豊かになれる、と力説する同社長の言葉に全員が感銘を受けたようでした。続いて同社内の工場を見学し、オートメーション化されたその製造工程に驚くとともに、雑菌対策などにいかに品質に気を配っているかなどを学びました。視察の最後には、同社長から全員に記念品が手渡されるともに、視察団からも同社長に記念品が手渡されました。最後に、感謝の念を込めて、全員がネパール国歌を合唱しました。

 

 

 

 

 

4日目:8月12日(金) 富士登山体験(富士宮口5合目・宝永火口散策)、北麓・青木ヶ原樹海等視察

 

 待望の富士山の自然体験に出発しました。この季節の富士山はガスに閉ざされることも多く、この日もあいにくの天気でした。しかし、登山道の各所で、引率の田村和幸グラウンドワーク三島インストラクターによる「富士山の秘密」の解説に、全員がぐいぐいと引き込まれました。

 

 質問も相次ぎ、これに詳しく答える田村インストラクター。このため、富士山五合目からは通常、60分で着くところを90分もかけて宝永火口に到着。ガスのため、火口もあいにく見ることができませんでしたが、実際に富士山に登ることができ、その自然に直に触れることができた喜びを全員がかみしめているようでした。

 

 

 

 富士登山のあとは、富士山北麓に回り、富士五湖を視察するともに、竜宮洞穴、青木ヶ原樹海、西湖、河口湖などにも立ち寄り、富士山の自然の雄大さを満喫した1日でした。

 

 

 

 

 

5日目:8月13日(土) 三島梅花藻の里整備体験、淡島マリンパーク・牛臥海岸視察

 

 午前中は、三島梅花藻の里を視察し、渡辺専務理事の指導のもと、整備作業を行いました。また、源兵衛川中流部にあるミシマバイカモ群生地も訪れ、この維持管理を長年続けている山口東司グラウンドワーク三島インストラクターの指導のもと、ここでも整備作業を行いました。「清掃」とはいえ、水の清さと冷たさが心地良いのか、タイムアップを告げられても、全員がなかなか現場を離れたがらないのが印象的でした。

 

 

 

 

 

 

 午後は、沼津市の「淡島マリンパーク」を訪れました。同パークに渡るには船に乗る必要があります。初めて見る海、初めて乗る船、そして初めてのイルカショーに水族館……全員が興奮状態です。極め付けはそのあと訪れた牛臥海岸。生まれて初めて「波」に直接触れることができた彼らの喜びようは、写真からも見て取れることでしょう。長旅の疲れもふっとんだようです。
 

 

 

 

 

6日目:8月14日(日)松毛川植樹・農業体験、「環境資源を活かした先進的なまちづくりを学ぶ・日本・ネパール・若者意見交換会」

 

 午前中、グラウンドワーク三島の実践地である松毛川を訪れ、農業体験と植樹を実施しました。

 

 最初に、松毛川沿いでグラウンドワーク三島が耕作している遊休農地。ここの草を刈るようにとの指示に黙々と草刈りに励む彼らが、ようやくすべての草を刈り取ったあと……今度はその草刈り跡を掘るようにとの指示。???と思いながら掘り返すと、なんとそこからは大量のジャガイモが出てくるではありませんか。思いがけないサプライズに全員が夢中になってジャガイモ堀りにいそしんだことは言うまでもありません。

 

 

 

 

 

 次に、松毛川畔で植樹活動を実施し、松毛川の潜在自然植生であるエノキ・ムクノキ・ケヤキ等の苗木30本を植えました。

 この日も富士山は見ることができませんでしたが、充実したプログラムでした。

 

 

 


 午後は、三島市民活動センターにおいて、都留文科大学・日本大学国際関係学部・知徳高等学校・沼津東高等学校の学生、グラウンドワーク三島のインストラクター、粟井英朗環境財団の粟井晶子理事長も交え、「環境資源を活かした先進的なまちづくりを学ぶ・日本・ネパール・若者意見交換会」を行いました。

 環境資源を生かした、それぞれの国のまちづくりの方法について、広く話し合われるともに、とくに環境汚染にあえぐネパールの生活環境をいかに改善していくか、について熱い討論が交わされました。議論は尽きませんでしたが、環境改善を成功させるためには社会的な仕組みもさることながら、そこに住む人々それぞれの環境意識の高揚が大事であること、たとえ小さな活動であってもやがてはそれが大きな成果につながっていくこと、などを共通認識とすることができました。

 

 

 

 


 夕方は、三島商工会議所で、ネパール視察団、ホストファミリーの方々、グラウンドワーク三島関係者を交えた交流会を開催しました。

 最初に、ネパール視察団4人の民族舞踊の披露があり、また、そのうちの一人の「名手」による単独舞踊の披露もあり、その美しさは大いに会場を沸かせました。また会半ばでは、ホストファミリーを中心に「農兵節」の踊りが披露され、これにネパール人も加わって、交流会は大盛り上がり。長い視察旅行の締めくくりの夜は、熱い熱気の中で過ぎていきました。

 

 

 

 

 

 


7日目:8月15日(月) ボイス・キュー番組収録、まとめ講義・討論会、三島夏祭り体験

 

 最終日の午前中は、コミュニティFM「ボイス・キュー」(77.7MHz)を訪れ、毎週日曜10:00~10:30の「グラウンドワーク三島・アクショントーク(10:00~10:30)」の番組収

録を行いました。

 

 

 

 

 その後、三島市民活動センターにおいて、交流事業の締めくくりとして、都留文科大学の学生も加わり、渡辺専務理事による講義「グラウンドワーク三島の環境再生のためのノウハウとは」を実施し、悪化した環境をいかに再生していくか、そのために重要な要素となるNPO法人の役割などについてそのノウハウを詳しく学びました。

 講義のあとには、日本人学生、ネパール人学生との討論会も開催しました。いかにしてネパールの人々に環境意識を根付かせていくか、などを中心にした議論が、昨日に引き続き再び交わされました。
 

 

 

 

 午後からは、「三島夏祭り」に参加しました。ホテルへ帰り、民族衣装に着替えた彼らは、勇壮な山車に乗った小学生や中学生によるシャギリ演奏を満喫するとともに、人々や屋台でごった返した町並みの中、写真を撮影しながら、三嶋大社を参拝しました。